ゆきちゃんの世界
  * * * ゆきちゃんの世界の解説 * * *
ゆきちゃん研究2 : ゆきちゃんの宗教の見方とワンネスの哲学

引き続き2005/07/30 22:01の池邊幸惠の文章からです。

以下の文章は、池邊幸惠による見事な宗教批判であり、
彼女の感性が宗教を超えていることを示しています。

キリストの教会には、高校1年で田舎から大阪にひっこしてきた時、
すぐ近所にあったので、これはしめたと早速行ってみました。
そして集会の後の質問で、
「クリスチャンでないと、救われないんですか?天国には行けないんですか?」
と聞いたら「そうだ」って言われました。

そこでまた牧師さまに聞きました。
「たとえ辺境の地でも、未開の土人(ごめん)の方でも、キリスト教的にみても、
 十分に模範となる素晴らしい生き方をしてる人でも、天国に行けないんですか」
と聞いたら、
「そうです。ですから宣教師が、世界のすみずみにまで福音を伝えにいってます」
って、で、もう一度聞きました。
「じゃあ、キリストさまより以前の人たちは救われないんですか?」
って聞くと牧師さま黙ってしまいました。


一者が多者として顕現しているというケン・ウィルバーの非二元、
サルカールのワンネスの哲学によれば、
多者すなわちこの世のすべては、神の現れであるから、神は自分であるすべてを愛します。
多者である私たちすべての心のもっとも深い、そのさらに奥底まで達するならば、
一者の「私」に達します。
有限の「私」は、すべての「私」と重なり、神になります。
誰もが長い旅の最後に神に到達します。

宗教は一者と多者を切り離しました。
この無限の一者を、その顕現した多者から切り離しました。
切り離された一者は多者を区別し、えこひいきします。

ある宗派はいいます。
「○○○○を唱えれば、救われるが、△△△△をとなえたら地獄におちる」
2001年9月11日のニューヨーク・テロ以後、
アメリカでは「God Bless America」(神はアメリカを祝福する)というスローガンが
タクシーにワッペンとして貼られたりして広がりました。

イエスは、まさしく「神はアメリカを祝福する」というような考えを克服するために登場しました。
「神はユダヤ人だけを選び、救う」という考えに抗して、
「神はよい人の上にも悪い人の上にも分け隔てなく陽を照らし、雨を降らせる」
(聖書で文章を確認してください)とイエスが述べたのは、
一者が多者として顕現ている世界だとするウィルバーとサルカールの
普遍哲学からすると理解できます。
「汝の敵を愛せよ」という有名な言葉も、一者が多者として顕現しているという
哲学からすると「私」は「汝」ですから、論理的に理解できます。

池邊幸惠は言います。

「そんな了見の狭い教会にたよらずとも、キリスト様の広い愛は
 私に伝わってきていたように感じていましたから・・・、以来、宗教は一切関係なし」


ちなみにP.R.サルカール(サーカー)によれば、
「○○を信じなければ、地獄に落ちるとか、天国に行けないとか」はまったくでたらめです。
彼は、天国も地獄も宗教が人々をコントロールするためにつくりだした
間違った考えだといいます。
私たちは一者が多者として顕現している一つの世界に存在しています。

「死後の天国と地獄の構想は、非常にあやまった幻想です。天国と地獄が存在する別の世界はありません。再び誕生して天国の喜びと地獄の苦しみを経験するのは、ただこの死をまぬかれることのできない世界においてだけです」サルカール『私と宇宙との関係』


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